「リスクのない(低い)人生」を歩むために必要なこと2

キャリア・転職

先日、キャリアにおけるリスクの考え方「リスクのない(低い)人生」を歩むために必要なこと」について書きました。

リスクはとるべきか否か。という二者択一ではなく、リスク自体は避けられないものなので、いかにコントロールするかという視点が必要です。自分も家族(嫁と子供二人)を持つ身として、キャリアにおいて、あまりリスクの大きな選択はしずらくなっているのが実態です。

30才の妻子持ちの転職におけるリスク

独身のころは、自身の志向に従い、大手SIerから、躊躇なく異業種の戦略コンサルに転職しました。転勤などの話もあり、次が決まる前に辞めてしまったのですが、時は第二新卒ブームということもあって、3カ月程度で見つけることが出来ました。

二回目の転職では、家族がいる身でしたが、諸事情を考え、ここでも次が決まる前に辞めてしまいました。ただリスクの想定が甘く、転職に時間を要してしまい、経済的にはかなり困窮しました。

転職活動はリスクを伴うことが多いでしょう。うまくいく保証はコネでもなければもちろんないですし、転職が出来たとしても、入ってみて希望にマッチするかどうかまではさすがにわかりません。そうした際に、リスクをどの程度まで許容することが出来るのか、そのリスクに対してなんらかの準備が出来ているのか、という事を考えないとなりません。

では、自分自身の二回目の転職は失敗だったのかというと、リスク試算の甘さはありましたが、失敗とは考えていません。 当時のことを考えても、前職の会社の経営状況や、転職市場におけるタイミング、地理的な要因(当時関西方面に住んでましたが、関東での転職を考えていました)などを、総合的に考えて、結果的には悪くない判断だったと考えています。

リスクが大きいと思われる選択が、その後、結果的に良い方に転ぶことがあります。上手くいくか分からないけど、挑戦してみる。それで、勿論失敗する可能性もあるでしょうし、成功することもあります。

出来るか、出来ないかわからない、ギリギリのものに取り組めるかどうか。挑戦は決して確実に成果に結び付くものではありません。だから、挑戦するのはリスクだと捉えてしまう事もあるかも知れません。

しかし、挑戦しない事のリスクということも念頭においておく事が重要です。

リスクをとらない、保守的な生き方を選ぼうとして、挑戦をしない、というのは決して正しい選択ではないということです。

人は向上心を失い、現状に満足してしまった段階で、成長を止めてしまいます。一方で、周りの環境は常に 変化し続けています。現状維持をしているつもりでも、それは、相対的に退化していると言えるかも知れません。

これは、自戒の念も込めて書いていますが、自分のように家族がいると、その家族を長期的に支えていかねばと、安定を求めてしまいがちです。

でも、そうした安定は現状に満足し、維持することに注力することでは得られないのではないかと思います。

仮に現状を維持したいと考えていたとしても、挑戦を止め、成長の歩みを止めてしまっては、その維持すらもままならないことを胆に命じておかなくてはなりません。

僕は挑戦をすることは、リスクではなく、リスクをコントロールするために必要な投資だと考えます。 英語や、資格の勉強をするもよし、将来の独立や起業に向けて準備するもよし、目的を持って本を読むことも、自身の時間という資産の投資であり、一つの挑戦でしょう。社内外の人脈を築いておく、何よりも、今の業務で実績を残しておくことも重要な挑戦でしょう。

ただ、あくまでもリスクをコントロールするという視点を忘れてはなりません。見込みもなく、起業や転職をしたり、大学に行ってみたり、挑戦するからには、そのリスクについても考えて、その間の収入はどうするのか、キャリアをどう補完するものなのか、管理しておく必要があるのは言うまでもありません。

それは例えば、預貯金を蓄えておくことや、不動産などの副収入を持つことかも知れません。恥を偲んで両親に頼ることも考えられますし、配偶者がいるのなら、配偶者が働ける環境整備を行うことも一つです。

常に危機感を抱く必要はないですが、定期的に今の足場を確認しましょう。

今回の記事は、上記の通り、自分に向けたものでもありますが、自分の周りの同年代の人間でも、同様に家族を持つ人が、ついつい保守的な選択肢を選んでいたり、一方で、果敢に挑戦している友人もいたりして、そんな同世代の方にも読んでもらえればと思い書いてみました。

僕個人の話に戻すと、幸いにも、今は所謂安定した大企業に勤めていますが、雇用契約上5年、10年先の雇用が約束されているわけではありません。 日常の業務に忙殺されていると、ついついそうした危機感を忘れがちです。

日々「いつ解雇されるか分からない」といったような状況で働くのも精神衛生上よろしくないので、月に一回でも、その月の自分のパフォーマンスを振り返るというのは必要ではないかと考えています。 そのパフォーマンスを見返しながら、会社の業績に貢献出来ているか、自身の成長に繋がる仕事が出来ているか、それは、社内だけでなく、社外でも通用するのか。

友人で、今は大企業に勤めていて、転職する予定は全くないものの、年一回は職務経歴書を書き直しているという人もいました。 変化の激しい時代と言われて久しいですが、キャリアリスクをコントロールする術を身につけなくてはなりません。

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