【書評】「朝4時起きの錬金術―人生の億万長者になる早朝活用法」中島 孝志

仕事が忙しくて、自己啓発にかける時間がない方。副業、サイドビジネスをしようにも、平日は疲れてしまい、週末も家族サービスのため時間が取れない、なんて方多くないでしょうか?

本書は朝時間という、脳が最もポジティブかつ効率的に働き、外部からも邪魔が入らない環境を活用し、お金持ちになる方法を紹介した本です。

朝7時が脳が最も活性化して、生産性が高まる

本書ではまず、科学的に朝の時間に脳が良く働くかを紹介しています。目覚めた時の脳はもっとも整理された状態であると言います。新しい事や創造的なことをする上でも、最良の状態と言えます。また、アドレナリンという脳の興奮状態を生み出す神経伝達物質が最も分泌されるのが、朝7時であると言います。つまり、脳が最も活発に働きやすいのが朝7時なのです。

では、朝の時間をどう活用するのか。本書では、著者の造語「才テク」に時間を投資すべきであると言います。「才テク」の特徴とは以下の通り。

  • 好きなこと、やりたいことを徹底的にやる
  • 好きなことをするのが目的だから、生活のためというわけではない
  • 自分の才能をフル活用し、なおかつそれに磨きをかける
  • 本業にもプラスになるし、本業で培ったことがそのまま役に立つ
  • もちろん、収入も増える

同じようなコンセプトで「週末起業」という考え方もありますが、本書では、週末の時間だけでは不足しがちな点を、早朝の時間を活用することで、より多くの時間の捻出に繋がるとしています。

「才テク」の具体的な手法として、本を書くことを勧めています。著者自身が通勤時間を使って本を書き上げたように、早朝の時間を使い、書きためていくことが、本に限らず、メルマガやブログなどにもつながります。

また早朝の情報の早さを活用した「投資」手法も紹介。逆指値などを利用した自動売買の勧めや、株式投資を行う際の、企業分析を通じてビジネスセンスを磨くのにも役立ちます。

もちろん、すぐに出版やビジネスにつなげたり、投資を行うだけではなく、やはり自身の成長に繋がる勉強を行うことの重要性も説かれています。

また、本業とは別の副業という考え方の前に、今の職場や本業を活用するメリットについても説かれており、独立志向の高い方でなくても、本書の考え方というのは有効に活用出来るものと思います。

朝4時起きの錬金術―人生の億万長者になる早朝活用法
朝4時起きの錬金術―人生の億万長者になる早朝活用法中島 孝志

プレジテント社 2004-07
売り上げランキング : 397024

おすすめ平均star
star朝の効率時間を活用し自己啓発を
star朝の時間の活用法が書かれています
star何時に寝るのか、ということが書かれていない。

Amazonで詳しく見る by G-Tools


「早起きは三文の徳」なんてことわざがあるように、昔から朝の時間はゴールデンタイムとして有効に活用しようとする考え方はあるものの、やはり電気が普及し、24時間営業の店が増え、ビジネスも24時間動き出すとなると、必然的に、生活時間も24時間化してくるわけで、なかなか朝時間の活用というのは難しくなります。

しかし、だからこそ、多くの人が活用出来ていない時間を活用することが、他人と差をつける大きな違いになるのだと思います。一日24時間というのは、金持ちでも貧乏人でも、優秀な人間でも、そうでない人間でも、平等に与えられています

「時間」という平等に与えられた資産の上手な使い方を身につける

多くの本でも書かれていますが、時間は唯一平等に配布された「資産」であると考えています。「資産」は通常、お金を生み出すものです。人生においてはお金に限りませんが、やはり「幸せ」を大きくするものであると考えられます。企業経営においても、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」という資産をいかにマネジメントして、収益を挙げていくかが求められますが、人生も同様に、時間管理というのは、人生の中でもっとも重要な命題であると思います

しかしながら、時間管理の重要性やその方法については、学生時代に身につけられる人もいるでしょうが、学校で学ぶことはほとんどありません。社会人になって、ビジネス書を読んで身につけようとされる方も多いでしょうが、そこに気がつかない方も多いと思います。また、知ってはいても、実行が非常に困難である点も、時間管理が出来ていない人が多い理由でしょう。

本書では、朝4時起きという分かりやすいフレーズに、具体的な手法が紹介されており、イメージしやすいと思います。朝早く起きるというのは、これまた難しいことで、たとえそれが良いことだと分かっていても、実践出来ている人は圧倒的に少ないでしょう。

でも、損をしていると考えるとどうでしょう。朝の脳がもっとも働く時間、かつ他人に差をつけやすい効率的な時間を利用しないことで、どれくらい人生損をしているのでしょうか。そう考えると、もったいないという気持ちになりませんか。

自身の早朝時間の活用を通じた自己学習の経験

自身も、大学卒業後に就職した最初の会社で、働きながら中小企業診断士の一次試験の合格を勝ち取りました。一般的に、中小企業診断士の一次試験合格までには1000時間の勉強が必要とされると言われます。10か月ほどの勉強期間でしたので、月に直すと、一か月100時間。毎日一日も休まずに1日3時間以上は勉強しないといけません。

当時、自身は営業という仕事だったので、客先からの帰宅も遅く、だいたい21時以降で、飲みの付き合いなどもあり、個人的にはこちらも好きなので、あまり減らしませんでした。そこで、どう時間を工面したかというと、朝5時に起きて、職場近くのカフェなどで2時間ほど勉強。朝は誰よりも早く出社するようにしていましたので、8時には出社。

あとは移動時間。出張も多く、片道1時間半くらいの電車での時間を利用して勉強。また、細切れ時間も活用しました。スーツのポケットに、単語帳のようなカードを忍ばせ、トイレに行った際にはそこでも勉強。

目的・目標があれば、比較的こうした時間管理は有効に働くものと思います。しかし、単に朝早く起きたからと言って、そこに目的・目標がなかれば長続きもしないのではないでしょうか。今の現状に強く不満があり、何かを変えたい、もっと好きなことをしたい、もっと金持ちになりたい、など強い思いがある人には、参考になる本だと思います。

本書の考え方自体、特に真新しいものではないので、多くの本からの引用が見られます。本としてのオリジナリティという意味では、どうかなとも思いますが、まとめて編集されていると考えれば、これはこれで価値があるのでしょう。

コメント