OB訪問のススメ|OB訪問で良く受ける質問集

OB訪問

OB訪問で良く受ける質問

自分は年間20人程度OB訪問を受けていますが、その中で学生から良くいただく相談・質問について共有させていただきます。他の学生がOB訪問の時にどんな質問をしているのか、自身がOB訪問する時にどんな質問をしようか、こんなことも聞いても良いのか、など、参考にしていただければと思います。

OB訪問の時の質問は、そもそもOB訪問を行う目的によってだいぶ異なってきます。学生側の就職活動の状況や、先輩の職歴によっても聞けるポイントが変わってくるでしょう。

僕自身は、転職、それもキャリアチェンジをしている事や、日系・外資系の両方を経験している事などから、それらに関連した質問も多くいただきます。一般的によくある質問は、他サイトでも紹介されていると思うので、そちらを参照していただければと思います。

よくある質問:業務について

採用サイトや会社説明会などでも多少表面的なことは聞けるかと思いますが、具体的な内容などの情報は得にくい部分。そして、学生側としてはどんな仕事を選ぶかを検討する上で、仕事・業務をイメージするのに重要な質問になります。

ただ、いきなりこの質問をすると、かなり細部の具体的な話になってしまい、ビジネス全体を理解していないと、話が頭に入ってこないかも知れません。ビジネスモデルや業界構造については、事前に勉強しておいて、確認しながら話を聞かれるのが先輩に対しても失礼ないですし、適切な質問が出来るかと思います。ただ、それにも限界があるので、分からない部分は分からないなりに、素直に聞いてしまっても良いかと思います。

例えば、同じ「広告代理店」の「営業」でも、会社や所属、担当する業界によって、結構変わってきます。僕が聞かれた際には、そもそものビジネスのステークホルダーやバリューチェーン含めて説明することが多いので、まずは大きなところから、現状の仕事について先輩から説明してもらうのが良いかと思います。

  • 現状の仕事について
  • 業務の具体的な内容・一日の流れやプロジェクトの流れ
  • 仕事で嬉しかったこと・辛かったこと、現在の仕事でのやりがい

よくある質問:職種について

企業特有な部分とは別に職種としてどんな仕事なのか、も良く聞かれる質問です。とは言え、同じ「営業」や「コンサルタント」という職種でも、企業や部署によってまったく異なる仕事をしていたりもするので、あくまで、そのOB訪問をした先輩視点での職種説明という点を理解して話を聞かれると良いかと思います。

自身の場合は、複数の業界・職種を経験していることもあるため、それぞれの違いについて説明することで、より具体的な内容を理解してもらえるよう紹介しています。自分の場合は以下のような質問のされ方が多いです。

  • 広告代理店の営業の仕事とは
  • コンサルタントの仕事とは
  • 営業とコンサルタントの違いとは
  • 広告業とコンサルティング業の今後
  • 業種としてのやりがい、それぞれの違い

よくある質問:会社について

志望企業が定まってくると以下のような質問をされるケースが多いです。志望する企業がどんな環境なのかを知る上で、重要な質問です。会社説明会等フォーマルな場で杓子定規な説明や回答は得られるかと思いますが、その実態として、本当のところはどうなのか、を知るための質問です。

  • どんな人が活躍しているか
    その企業で活躍する上で求められる要素は何かを知ることで、採用プロセスにおいて、何を訴求すべきかの勘所をつかむことが出来る。
  • どんな働き方か
    仕事を進める上での自由度や、指示命令系統、報告プロセス、特に最近だとリモートワーク環境下での仕事の進め方や自由度・裁量権、所属・チームにおける関係性などを知ることで職場でのイメージがつきやすくなる。
  • 残業時間
    学生によって気にする方、そうでない方で分かれる質問。また、回答もケースバイケース、時期によって異なるので、一部分を切り取った回答で判断することは出来ないが、残業や終業時間がどの程度か、それが常態化しているのか、残業を抑制する仕組みや働きかけがなされているか、など。
  • 社風
    ざっくりとどんな社風か聞かれる事が多いです。社風はその企業の文化や人材、制度などから醸し出てくるものでもあるので、聞いてみると良いでしょう。なお、先輩が1社しか勤めてない人だと社風に慣れてしまうのと、相対的なものが分からず、明快な回答は得られにくいが、その先輩の方が、どう感じられているか、とか社外の人からどう言われる事が多いのか、などで聞いてみると良い。
  • 飲み会について
    社風などから繋がって、飲み会の有無や頻度などを聞かれることも多い。組織としての人付き合いの在り方をそこから把握出来るのと、最近はやはりお酒が飲めない学生も多いようで、そのあたりを気にされるなら確認しておくと良い。
  • 外資系と日系の違い
    自身の場合、両方経験しているのでこの質問は多いし、両者の違いを対比的に説明するようにしている。働く環境として、大きな違いにもなってくるので、聞ける先輩であれば聞いておくと良い。また、同じ外資と言っても一般に言われるイメージだけで判断するのではなく、当然企業によって濃淡はある。
  • 競合他社との違い
    志望企業がある程度定まってきている学生から良く聞かれる質問。志望理由を考える上で参考としていると思われる。どこを競合と取るかで、その強み・弱みも変わってくるので、どういったビジネスドメイン、事業領域を指しているのか踏まえて聞くと、より適切な回答が得られやすい。
  • 企業としての課題・今後の展望
    志望企業の将来性などを判断するための質問。ただ、マネジメント層でない限りは、現場レベルでの情報でしかないので、その前提で聞いておくくらいが良い。一方で、最前線だからこそ、その企業・業界の市場の状況が見えている部分もあるので、正直聞かれると回答に窮することも多いが、聞いてみると良い。
  • 新型コロナでの影響
    新型コロナでのビジネス影響はもちろん、働き方への影響なども聞かれることが多い。正直、中長期でのビジネス影響などは予見し難い部分はあるものの、この新型コロナを機にニューノーマルな働き方へと転換している企業かどうか、さらにはこうした危機管理が行える企業かどうかを判断する上で重要な質問。

よくある質問:福利厚生・人事制度

志望理由にはならないものの、いくつか内定を貰っている学生だと、企業を選択する上、気なる情報のようです。実際、入社してしまうと福利厚生などそこまで気になるものでもないと思いますが、これから入社する側としては、企業がどんなものを提供してくれるのか知りたいというところなのかと思います。

網羅的な情報は、それこそ企業サイトや会社説明会等で聞けるかと思います。ただ、それらは企業として提供する準備があるだけのものであり、実際にそれらが活用されているのか、享受しやすい環境にあるのか、はまた違う話だったりします。そうした実運用の部分をOB訪問では聞かれると良いかと思います。

人事制度に関しても同様に表面上の制度は採用担当の人事や会社説明会でも説明されるのでOB訪問においてはその運用の実態を聞くと良いかと思います。

若手を抜擢する制度や、360度評価で、透明性の高い評価制度、海外留学制度が充実、等、表現上は説明されるものの、その運用自体は、ごく一部でしかなかったり、体裁を整えるために言っているだけで、実態は違う、というのは良くある話です。

  • どんな福利厚生があるか
    日系企業だとあまり大差ないかと思うが、日系に比べて外資系だと福利厚生が手薄なイメージが強いので、その観点で良く聞かれる質問。イメージ通り、日系に比べれば手薄。OB訪問で訪問する先輩が、福利厚生に対して、どんな期待値を持っているかを踏まえて聞くと良い。
  • 女性が活躍出来る職場か
    女子学生からたまに受ける質問。たまにと記載した通り、学生の段階だとあまり気にしない事が多いのかも知れないが、意外と質問頻度としては少ない印象。自身が男性だから、という理由もあるかも知れない。企業においても多様性やダイバーシティなどの取組において強化している分野なので、表面上、説明会などでも語られる事が多いかと思うが、その実態を聞く上でOB訪問は良い機会。

よくある質問:キャリアについて

自身が転職を何度かしてきている事などから、キャリアプランそのものについての質問も良く頂きます。あくまでも個人的な見解でしか話せないですが、多少参考としていただけているようです。学生時代、自身もそうでしたが、キャリアに対する考えなど、非常に狭い領域で考えてしまっていたりするので、多様な考えを知っておくと、キャリアの考え方の幅も広がり、就職活動においての企業選びも変わってくるかと思います。

転職などしていない先輩方であっても、企業内での部署異動なども含めて、どうキャリアを築いていっているのか、築こうとしているのか、を聞いておくと、自分の10年後、15年後などをイメージする際に参考になるかと思います。

  • ファーストキャリアの選び方
    少し前の売り手市場の時は、いくつかある内定先からどこを選ぶべきかの観点で聞かれる事も多かったし、今の新型コロナの影響で、思うように就職活動が進まない学生からも良く聞かれる質問。「新卒カード」とも呼ばれる新卒時の特権(?)をどう使うべきか悩まれているのかと思う。自身の考えはまた別途書くが、このあたりは話を聞く先輩の価値観や職歴によってもだいぶ異なる回答が得られるかと思う。外資系においては、転職も多いので、その後の市場価値や転職先についても良く聞かれる。
  • 好きなことを仕事にすべきか
    これは就職活動を始める前、もしくは始めて間もない学生から良く受ける質問。ある程度、就活が進んでくると、現実が見えてくるのか、こうした根本的な質問をされる方は少ない気がする。でも、これはキャリア観が定まっていない学生だから、というわけではなく、社会人になってもこれは永遠の悩み。いろいろな考えもあるので、OB訪問で先輩のキャリア観、仕事観を聞くのはとても有意義な場となると思う。

よくある質問:学生時代の過ごし方

OB訪問する先輩がどんな風に学生時代を過ごしてきて、今のキャリアに至っているのかを把握するための質問だと理解しています。また、自身がこれから先の学生生活をどう過ごすと良いのかのヒントを得たいのではないか思います。

特に内定を貰った後、どう過ごすか、社会人になる前の学生生活をどう過ごすと、良いスタートダッシュが切れるのか、そういったタイミングで質問される学生が多いように思います。これも個人の価値観によってだいぶ異なってくる回答が返ってくるかと思いますが、一例として参考になるものはあると思います。

特に志望企業から内定を貰っていて、その後の新入社員研修に向けての観点で、例えば、英語やプログラミングなどの勉強を事前に行っておく方が良い、といったアドバイスを貰えることもあるかと思います。

一方で、学生時代だからこそ出来ることをすべき、といった観点で、社会人になって、本当はやりたかったけど、出来なかった事、などを聞いてみると面白いかと思います。

  • 内定後の入社までにどう過ごすか
  • 学生時代やってきたことで、今のキャリアに活かせていることは何か

よくある質問:自身について

いろいろ話していくと、個人的にも興味を持っていただけるのか、僕自身の事もいろいろ聞かれますし、支障のない範囲で、自分もそうした質問に答えるようにしています。最近の学生は、バイトやそれこそインターンなども通じて、社会人と触れ合う機会も多いかと思いますが、社会人と一口に言っても千差万別であり、いろいろな考えを持っている方がいらっしゃいます。

特に昨今、人生観やキャリア観も多様になって来ている中で、いろいろなロールモデルを知っておくことは重要だと思います。自身の価値観に合った人、刺激を得られそうな人など、いろいろな方の人生を聞けるというのもOB訪問の醍醐味かと思います。

  • なぜ、今の会社を選んだのか
    表向きな会社選択の理由として聞くのも、学生が自身の志望理由を考える上で参考になる点もあるでしょうが、やはりその時々の社会情勢や本人の事情・意向もあって、会社選択の理由というのは結構複雑である。面接ではないが、「なぜ」を深堀りしていくと、どうしてそういう選択に至ったのか聞き、どんな価値観からその意思決定に至ったのかを聞くのは参考になる。
  • 今後のキャリアプラン
    OB訪問での質問のメインはその先輩の過去の事について聞くことが多いが、過去があり、今があり、未来がある中で、これまでのキャリアを踏まえてどんな未来を見据えているのかを聞くことで、自身がその先にどうなっていくのか、どんな視座に経つことが出来るのかをイメージすることが出来る。
  • 結婚・私生活について
    キャリアプランはライフプランにも繋がってくるため、その観点での質問。女性だけでなく男性からも結構聞かれる。

まとめ 企業・職種の情報だけでなく、働く事全般について聞いてみよう

就職活動というと、とても「意識高く」活動されている方もいて、専用の塾のようなものもあると聞きます。手法論として、効率的に、選考の通過率をあげていくための活動でもあるのですが、人生の大きな岐路にあたる部分でしっかりと考えて、いろいろな情報を元に考えていくことが重要であるとも思います。

OB訪問は効率的な情報収集手段であると同時に、人生の先輩方にいろいろ聞ける稀有な機会でもあります。企業や業種について知ることも重要ですが、社会人、ビジネスマンとしてどんな人生を歩んでいくことが出来るのか、どんなオプションがあるのかを知ることも、自身の人生を考えていく上で重要です。OB訪問という貴重な機会を上手に活用してみてはいかがでしょうか?

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