【書評】「金持ち父さんの子どもはみんな天才-親だからできるお金の教育」ロバート・キヨサキ(筑摩書房)¥1,995

「金持ち父さん貧乏父さん」シリーズでおなじみのロバート・キヨサキ氏による、子どもを金持ちに育てるための子育て論。「金持ち父さん」シリーズのこれまでの著書の内容を改めて紹介しながら、著者自身が幼少期より金持ち父さんからどのような教育を受けたおかげで、お金持ちになれたかを踏まえた、子育てにおけるファイナンシャル教育の重要性及びその教育方法などを説いた本です。

「お金がお金持ちにするのではなく、考え方がお金持ちにする」

日本でも、特に「お金」に関する教育というのはほとんどなされていませんし、親からも教えてもらえることはほとんどないと思います。しかしながら、お金に対する昔からの価値観、つまり「お金持ちになるには良い会社に入る」「良い会社に入るために良い大学に入る」「良い大学に入るために勉強する」というような、画一的な考え方が、子どもの可能性を大きく狭めてしまっています。

「金持ち父さんシリーズ」を通じて主張されているように、「お金がお金持ちにするのではなく、考え方がお金持ちにする」という、お金に対する認識の重要性を説いています。そして、このお金に対する認識について、もちろん無理に教えるわけでなく、本人が興味を持つように、そして興味を持った時に、どのような認識を与えるかが重要であると説きます。つまり、これもシリーズを通して出てくる考え方として「キャッシュフロークワドラント」における、E(Employee)従業員、S(Self-employed/small business)自営業・スモールビジネス、という働き方だけでなく、お金持ちになるにはB(Business Owner)、I(Investor)投資家になる必要があり、こうした生き方や考え方を子どもの頃から教えてあげることが重要です。

確かに自身も初めて「金持ち父さん貧乏父さん」を読んだ時には大きな価値観の変化を感じました。近年では少し増えてきているのかも知れませんが、お金に関して学校教育では教えてもらえないので、やはり親からの影響が強く出ます。その時、間違った認識や偏った認識を与えるのではなく、お金持ちになれる認識を与えていくのはやはり親であると言えます。

本書では従来の学校教育に対する問題点についても言及されています。学力という一つの尺度でしか評価をすることが出来ない現在の教育環境においては、そこに合う子合わない子も出てきます。その子に合った学び方や才能を見出し、単に良い成績を取ることだけを目指した人生を教えるのではなく、子どもの可能性を見出し、信じてあげることも親にとって重要なことであると、著者本人の経験からも述べています。

具体的に、どのように子どもにお金に関する教育をしていくのかについても紹介されています。家計についてオープンにし、お金がどこから入り、どこへどう出ていくのかや、街に出てお金の流れについて一緒に考えてみたり、お小遣いのあげ方についても書かれており、家庭における「お金」に関する教育の一つの指針として、大変参考になるかと思います。

金持ち父さんの子供はみんな天才 ― 親だからできるお金の教育
金持ち父さんの子供はみんな天才 ― 親だからできるお金の教育ロバート・キヨサキ シャロン・レクター 白根 美保子

筑摩書房  2002-11-08
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お金に関する教育は、近年、金融機関なども社会貢献活動の一貫として学校においてマネー教育などの授業を行っているようですが、まだまだ一般的ではなく、実際に教えられる人も今の教育現場にはほとんどいないと思われます。また、家庭においても、多くの親が給与所得者としての生き方しか知らないがために、ひとつの成功法則「良く勉強い、良い大学に入り、良い会社に入る」という画一的な視点しか教えることが出来ないという状況があります。

しかしながら、現在、大学の新卒であっても内定が取れずに就職浪人になる人間も多い中、本書でも言われているように「学校を卒業したら仕事を探す」ということ自体も難しくなっており、過去の「成功法則」が通じなくなってきています。良い会社に入っても、解雇や減俸、長く勤めても給与が上がる見込みも少なくなってきました。

この様な状況において、お金持ちになるのに「金持ち父さんシリーズ」で紹介されているキャッシュフロークワドラント(収入源による分類)におけるB(Business Owner)、I(Investor)投資家の可能性と言うのも考えていく必要性がますます高まってきていると感じます。

自分も、大学時代に金持ち父さん貧乏父さん
を初めて読みましたが、確かにそれを読んでから、キャリアについて考え方などはだいぶ変わったと思います。

また、お金に対する認識もだいぶ変わりました。「私は絶対に金持ちになれない」「お金には興味がない。お金は私にとってそんなに大きな意味を持っていない」「金持ちは欲張りだ」「私にはそれを買うお金がない」など、偏った先入観を、なんとなく持ってしまっていたこと、そして、こうした考えがお金持ちになるための障害となっていることを感じました。

確かに、もっと早い段階でこうした認識を改めていたら、異なる認識を与えられていたら、道の選び方も変わってくるように思います。そして、自分の子どもに対しては、「お金」に対する変な先入観を持たせないようにしていきたいと感じます。

本書でも紹介されていますが、著者がこのお金に対する考え方を楽しく、分かりやすく学ぶために作ったゲーム「キャッシュフロー101」といゲームがあります。自分も大学時代に、友人たちと共同で購入し、やったことがありますが、確かに資産や負債について考え方が良く分かります。子どもたちにもさせてあげたいと思います。

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また、本書では過去の「金持ち父さんシリーズ」の教えがまとまっているので、改めて読んでみると、考え方を再度確認する上でも良い本だと思います。

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