チームで成果を出すために、マネジャー・リーダーはスタッフのモチベーションアップをすべきか

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当然、必要です。

人の仕事のやる気・意欲というのは、仕事のアウトプットにも多いに影響します。

過去、自分が働いてきた会社や、コンサルタントとしてお手伝いをさせていただいた企業で、現場スタッフの方々とお話しをする中でも、モチベーションの有り無しで仕事の成果が大きく異なるのを目の当たりにしてきました。

そこで、コンサル時代は、どうすれば現場で働く人達のモチベーションを高めて、成果の出せるような働き方や仕組みづくりが出来るかと考えていました。どちらかと言えば、マネジメントの視点で、組織や仕組みに関する課題を見つけて、提言するスタンスでした。

現場の人達も決して仕事にやる気がないわけではなく、小さな成功体験などを積み重ねることで、大きく変わっていく人もいたり、目標や目的を明確にするだけで、動きが変わるなど、環境、特に上司などによってそのモチベーションが大きく左右されるのを見てきました。

マネジメントやチームのリーダーとしては、当然考えていくべきことだと思いますし、成果を出すためにスタッフのモチベーションアップのためにすべきことはたくさんあると思います。

個人のモチベーションの責任はマネジャー・リーダーにあるのか

しかし、一スタッフの立場で見てみると、逆説的に、「スタッフのモチベーションはマネジャー・リーダーに上げてもらうべきものなのか」ということを考えてしまいます。

近年、コーチングなどの手法もマネジメントの現場で取り入れられて、現場スタッフの主体性をいかに引き出して、自主的に仕事に取り組んでもらうか、というような事が行われています。もちろん、現場スタッフの主体性を引き出し、「やらされ感」ではなく、本人が心からやる気を持ってモチベーションを上げて仕事に取り組むことが出来たら、それは素晴らしい事でしょう。

マネジャーとしても、そうしてチームの生産性が高めることが出来たのならば、マネジャーとしての能力も高いと言えると思います。

ただ、現場スタッフという同じ視点で、あるモチベーションの低い人間を見た時、そんなモチベーションの低い人間と一緒に仕事をしなくてはならない非効率性の方が目についてしまうということはないでしょうか。

組織の視点で見れば、「スタッフ(他人)のモチベーションを上げる(上げてあげる)」という行為・施策自体は決して間違っていないのですが、個人の視点で見た時、「自分のモチベーションを上げてもらう」というスタンスはいかがなものかと思うのです。

以前の自分は全く逆の考えを持っていて「モチベーションをコントロールするのはマネジメント・リーダーの仕事」だと考えていました。確かに、それは一面あるのですが、今ではそれが100%ではないということを、当然なことではありますが、1週回って思い直しています。

限られた人員で、組織されたチームで仕事をしていく中で、モチベーションの低いスタッフがいる場合は、生産性アップのためには、そのスタッフのモチベーションアップは必要不可欠でしょう。本人の自主性に任せていてもままらないものについては、外部からの刺激が必要になるでしょう。

しかし、人員が限られていない場合は、どうでしょうか?人員配置やアサインが自由に出来る状況ならどうでしょうか?モチベーションの低いスタッフを外して、モチベーションの高いスタッフと入れ替えることも考えられるオプションになるでしょう。

もちろん、その時、モチベーションの高い人材が一緒に働きたいと思ってもらえるような環境を用意する必要はあるでしょう。

個人的にはモチベーションの低い人間と働きたくはない

これは、自戒の念も込めて書きますが、やはり個人の視点で言えば、モチベーションの低い人間とは一緒に働きたいとは思いませんし、そのスタッフのモチベーションを高めるための苦労をあえてしたいとも思いません。これを「あきらめている」と捉えられてしまうかも知れませんが、仕事のスピードが求められる中、非効率的だと感じてしまいます。

ただ、もちろん、どうしてもある人と一緒に仕事をしたい、それがチームにとっても有益だと思えば、その人にモチベーションを高めてもらうための努力・苦労は必要不可欠です。

これは、ある意味、すごくドライな考え方なのかも知れません。自分でも驚くほど考え方が変わったのを感じるのですが、その理由として、一つは「仕事がない」という恐ろしさを実感しているからではないかと思います。

「仕事は与えられるものではない。」と言う、当たり前だけど、意識しにくいこと

新入社員や大企業に勤めていると「仕事は与えられるもの」という意識が強くなってしまいがちです。もちろん、新入社員時代は、仕事を覚える上でも、有無を言わさず仕事が次から次へと振られてきます。ただ、それも「仕事が出来る新人に」です。仕事のミスが多くても、仕事への取組み意欲が高い人間には、仕事が任されるでしょうが、意欲の低い人間に仕事を頼みたいとは思わないでしょう。

昔の自分も「与えられた仕事をこなし、その仕事をこなすのだから、上の人間は自分のモチベーションを高めるための努力をすべきではないか、逆になぜやる気をそぐようなことを言うのか。」なんて事を考えていたこともあります。しかし、今思えば非常に不遜な考え方だったと思います。

新入社員の自分の給料が果たしてどこから出ているのか?もし、仕事をさせて貰えなかったとしたら、給料分の働きをどこで出来るのか?完全な成果主義だったとしたら、果たしてどの程度の給料が貰えるのか、それだけの貢献を自分が出来ているのか?

正直、これを若い頃から実感を持って感じられるかというのは難しいかも知れません。完全歩合の営業マンであれば、このあたりの意識は強く感じられるかも知れませんが、「仕事がなければ、給料が出ない。貢献しなければ、評価されない。」という当たり前の事を意識する必要があります。

それは、前線の営業マンだけでなく、社内のスタッフであっても同様です。経理の立場として、法務の立場として、社内の専門家として、どのように売上・利益に貢献できるのかを考える必要があります。

1週回って、やはり、モチベーションアップはマネジャー・リーダーの仕事

と、長くなりましたが、結論としては、個人の視点で考えると、自分の評価や給与を考えると、モチベーションが低いとか高いは関係なく、売上・利益に貢献できるよう努めるのが、ある意味最低限の仕事であり、人にモチベーションのコントロールを依存するのは、新入社員まで。

一方で、売上・利益に貢献することを全スタッフが意識しているという前提において、やはりマネジャー・リーダーはその仕事が、売上・利益に貢献し、評価に値することであることをチーム員に共有する必要があります。なぜなら、それがインセンティブになり、モチベーションだからです。ただ、それでもモチベートされない人間は、不要なのかも知れません。

チーム員の一挙手一投足を事細かに評価し、指示し、管理するのがマネジャー・リーダーの仕事ではなく、目標を共有することがマネジャー・リーダーの仕事なのだと思います。

冒頭に戻って、至って当たり前の結論に達してしまいましたが、思考の整理のために書いてみました。ご意見あれば、ぜひコメントやTwitterでいただければと思います。

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