「フランクリンプランナー」実践方法(1)「価値観」を明確化する方法

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さて、先日以下の記事でも紹介した通り、今年は改めてフランクリンプランナーを使いこなそうと考えています。自身の理解促進も含めて、フランクリンプランナーを使いこなす方法について書いていきたいと思います。

ちなみに、フランクリンプランナーを使っていなくても、非常に参考になる考え方であり、法則なので、フランクリンプランナーを使っていなくても参考にしていただければと思います。

4月を迎えるにあたっての手帳を選び 10年目のフランクリン・プランナーの使いこなすには https://bizion.info/frankrin_planner-222.html

フランクリンプランナーを使い始めるための4STEP

フランクリンプランナーは、「行動管理」のツールであると紹介しましたが、「行動管理」を行う上で、以下のような段取りで、行動を管理を行っていきます。

STEP1:「価値観・ミッションステートメント」の明確化
STEP2:「価値観・ミッションステートメント」を実現するための具体的な「目標設定」
STEP3:「目標」を実現するための計画を月・週・日時に落とし込んだ計画を作る
STEP4:「計画」を「実行する」

STEP2以降は比較的簡単に設計できるかと思いますが、実は肝心要のSTEP1:「価値観・ミッションステートメント」の明確化が非常に難しく、ここで挫折される方も多いと思います。

フランクリンプランナーの実践 STEP1「価値観・ミッションステートメント」の明確化

「価値観の違いで別れる」とか「あの人とは価値観が違う」とか、「価値観」という言葉、日常的に使っているものの、実際、「あなたの価値観は何ですか?」と問われると答えに窮することがほとんどではないでしょうか。

それは、日頃から価値観を強く意識して生きることもないから致し方ないかも知れません。また、手帳の使い方にも記載されていますが、

人は年月を重ねるほど「指示されること」や「しかたなく、やらなくてはいけないこと」が増え、なかなか価値観に基づいて行動することが出来なくなってしまいます。

というように、価値観を持っていたとしても、それとは関わらずに、しなければいけないことに忙殺されてしまうのでしょう。また、本来、価値観は誰もがもっているもので、改めて作るものでもないという点で、明文化を行うのを難しくさせているかと思います。

「価値観」は、あなたが日々感じることの中にあり、時間かけて自分と向き合いながら発見していくものです。

そうした理由もあり「あなたの価値観とは何ですか?」と聞かれてもすんなり答えられる方は少ないでしょう。

フランクリンプランナーでは、その価値観を明確化するために、以下のような問いを挙げ、これに答える事で、自身の価値観を発見していくことを推奨しています。これは、物事を判断する際に、その人の価値観が現れるからで、仕事を選ぶような、大きな選択の時もそうですし、本を買う時に、どの本を買うのか、休日にどのように過ごすのか選ぶ時なども、実は価値観に基づいた判断がなされているという訳です。

価値観を明確にするための質問

・あなたはなぜ、今の会社(学校)に入りましたか?
・これまでに会った人で、ぜひもう一度会いたいと思う人は誰ですか?
・あなたが一番好きな言葉は何ですか?
・あなたがこれまでに読んだ一番好きな本は何ですか?
・これまでで一番充実していた仕事は何ですか?(いつ、どんな仕事?なぜ?)
・家族との思い出で一番楽しかったことは?(いつ?どんな内容?なぜ?)
・友人との思い出で一番楽しかったことは?(いつ?どんな内容?なぜ?)
・これまでの経験で貴重だと感じたこと、感動したことは?(いつ?どんな内容?なぜ?)

 

確かに、このくらいの質問なら簡単に答えられそうです。ただ単純にこれらの質問に答えるだけでは、価値観を導きだすのは難しいでしょう。

例えば、1番目の質問などは、価値観がもっとも反映される質問だと思いますが、この就職難の時代だったりすると、そもそも、今就いている仕事が、本来望んだ仕事ではないかも知れません。さまざまな事情によって、現在の仕事についている方も多いでしょう。ただ、そうした判断をしたのもまた、自分自身であることを認識する必要があるでしょう。

たとえば就職をせずに、学生時代の夢であるプロのミュージシャンを目指すためにフリーターという選択肢を選ぶ人もいれば、食べるためにしかたなく今の仕事を選んだという人もいるでしょう。希望する会社に内定が出ずに、今の会社に入ったのは内定をもらえたからとか、受動的な理由であったりするかも知れません。でも、その内定を蹴る事も出来たわけですし、プロのミュージシャンを諦めるという選択肢もあるでしょう。そもそも、会社で働くという選択自体も選択肢の一つです。

仕事を選んだ理由について「なぜ」を繰り返して深堀をしてみる。

トヨタでは、カイゼンを行う際などに、「なぜ」を6回繰り返すようですが、物事の本質を突き詰める上で、上記の質問に対しても「なぜ」「なぜ」「なぜ」を少なくても、3回繰り返してみましょう。

本ブログでは、特にキャリアについてテーマにしていきたいと考えていますが、この1番目の質問は転職やキャリアを考える際にも重要な質問です。面接などの際にも聞かれることでしょう。

例えば以下のような感じ。

例)
Q.あなたはなぜ今の会社(学校)に入りましたか?
⇒事業内容が自身の大学時代に専攻した分野ともつながりがあり、その会社が業界内におけるリーディングカンパニーで、大きな仕事が出来ると考えたから。
Q.なぜ、その分野を専攻したのか?専攻分野以外には考えなかったのか?大きな仕事をしたいのはなぜか?
⇒社会環境の変化から、その分野の将来性があると考えたから。大きな仕事をしたいのは、社会に対してインパクトのある仕事をしたいから。
Q.なぜ将来性のある分野で仕事をしたいと考えるのか?なぜ、社会にインパクトを与えたいのか?
⇒将来性のある分野・業界の方が、事業としての成長性も高く、新しい事に挑戦する機会もあると思うから。また、インパクトのある仕事とは、大きな成果の出る仕事であり、自身がその成果に対して誇りに思えるような、仕事をしたいということ。

上記の例はあまりうまくないかも知れませんが、このように質問の仕方で、答えをより深めていく中で、自分が、「新しいことに挑戦」することを大切にしている事や、「誇りに思える仕事」「社会的に評価される仕事をしたい」という意向が強い事が分かるかと思います。

それらが「価値観」です。何を大切にしているのか、優先順位の高いものが価値観と言えるでしょう。例えば、冒頭で例に挙げた「価値観が違うから別れる」なんて言うのも、互いが大切にしているものが違うから、生活のすれ違いが起きてしまうからでしょう。

聖人君子のような価値観をつくなければいけないというような誤解

手帳にも記載されている価値観の例を見ると、とても素晴らしい人間かのように思えてきます。

手帳に記載されている価値観リストの例

「自立をする」
自立をしないことは、人に頼り、いつも自らの幸福を他人に委ねることになる。私は、自らを自らの手で幸福する。経済的な自立、精神的な自立を常に意識する。
「常に努力する」
「できない」「無理」を口にするのはやめ、常に「どうしたらできるだろう」と考えるようにする。人間関係においても「嫌い」と一言で済ませるのではなく、どうしたら良くなるか、自らの行動を変える努力を怠らない。さらに何事にも向上心を持ってあたる。

いずれも素晴らしい価値観で、これをそのまま自分の価値観にしたいと思ってしまったりしますが、やはり自らが腹落ちして、納得できるもの、本当に自分の中から出てきた価値観でないと意味がありません。

「あるべき論」で考えると、聖人君子のような価値観が並んでしまうかもしれません。「家族を大切する」「常に向上心を持つ」「全ての物事に全力をつくす」等。こうした価値観を大切にすることはもちろん悪い事ではありませんし、重要でしょう。

ただ、このプロセスにおいて、本当に大事なのは、分の弱い面などの価値観を見つめなおしてみる事ではないかと思います。例えば、困難にぶつかった時に逃げてしまいがちだったり、ついつい保守的な考え、行動に流されてしまいがちであったり、人と意見をぶつけるのに苦手意識があったり、それらの考え・行動がどこから生まれてくるのかを考える事で、目標達成に向けた落とし穴や足りないものが明確になるかと思います。

例えば「楽をしたい」「困難は避けたい」「不安定な生活は嫌」「人付き合いは苦手」といった価値観も、立派な価値観であり、これらの価値観に合わせて、そのために必要な行動を洗い出してみると、自分にとって生きやすい生き方の実現につながると思います。

「楽をしたい」ならば、どうすれば楽が出来るような環境が作れるのか。それは、自分で頑張るのではなく、人に頑張ってもらうとか、有能な人を部下につける、部下を育てるという行動につながるかも知れません。「不安定な生活は嫌」ならば、安定した職業とは何かを考え、独占業務を持つような国家資格を取ることなども目標に入ってくるかも知れません。

自分の良い面も悪い面もひっくるめて、自身の価値観というものを洗い出して明確化・明文化する。結構面倒な作業ですが、考えるのは移動中でも、ちょっとしたすきま時間でも出来るので、少し時間をかけて、自分と向き合う機会・時間を作ってみてはいかがでしょうか。

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