【書評】あなたのノウハウをお金に換えるには。「学びを稼ぎに変える技術」藤井孝一・森英樹

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先日、以下のエントリーを投稿しました。こちらでは、稼ぎにつながる勉強法を紹介していましたが、本書では、その学んだ内容をいかにお金に換えるかの具体的な方法が紹介されています。

【書評】『お金を稼ぐ勉強法』は年収2000万円を実現するためのアウトプットを意識したビジネスマンに最適な勉強法

景気後退の波を受け、多くの企業が倒産、倒産までいかなくともリストラ、解雇、給与の減俸や残業が出来なくなるなど、大手企業に勤めていても、非常に不安定な状況にあると言えます。

こうした状況を踏まえ、ビジネスマンの多くが「学び」を始めました。書店にも多くのビジネス書が並び、資格を取ったり、MBAなどの取得なども流行りました。しかし、どんなに学んだところで、会社にぶら下がっている限りは、常に不安定な状態にあると言えます。

本書は、週末起業の提唱者の著者が、単に自己啓発や社内の出世のための「学び」から、自身でしっかり「稼ぎ」に変え、金銭的な面での会社からの自由を獲得するための技術を、本人達はもとより、週末起業フォーラムで実際に起業された事例などを元に紹介しています。

「学び」をいかに「稼ぎ」に変えるのか。

本書では、まず自身の専門性を見つけることから始めます。仕事を通じて、趣味を通じて、また学びを通じて、何十年と生きてきた中で、あなただけの専門性があるはずです。専門分野における情報受信から情報発信者になることを勧めています。それはブログやメルマガなど、お金のかからないものからでも始められます。

そして、「専門家」を名乗ること。本書では、鉄道模型の趣味を通じて鉄道模型の専門家を名乗る方、文房具好きが講じて文具専門家となった方などが紹介されています。「専門家」を名乗り情報発信をすることで、見込み客が集まります。

1.「書く」(メルマガ、雑誌・Webへの寄稿、書籍出版など)
2.「話す」(講演会・勉強会の主催、セミナー講師など)
3.「相談にのる」(コンサルティング、相談員など)
4.「集める」(オフ会、ML、コミュニティの主催)

こうして、次に売るための商品開発を行っていきますが、その際の4つの切り口が紹介されています。

1.モノを売る
専門分野に関するモノの販売。(本や趣味の道具類など)

2.ワザ・スキルを売る
いわゆる「代行業」。(HP作成や経理事務代行、翻訳など)

3.知識・考え・情報を売る
いわゆる「コンサルタント」。どんな分野でも専門性を活かしてコンサルタントが成り立ちます。メニューとして一般的には(診断・プランニング支援・実行支援・代行)

4.場・ネットワークを売る
専門家とニーズのある人をマッチングさせる場を作り、そこで収益を得る方法

上記の4つの切り口を組み合わせて自身の専門性の商品化していくことが考えられます。具体的な事例についても挙げられており、イメージがしやすいと思います。これなら自分にも出来るかも、と思わせてくれます。

こうした技術・ノウハウはもちろん参考になりますが、本書の要である『「学び」を「稼ぎ」に変える』という思考を持つことが何より重要ではないかと思います。自己満足の「学び」を辞め、誰かの役に立ち、お金がついてくるような「学び」を行うという思考が必要です。

会社に頼れない時代、自ら「稼ぐ」力を身につけるうえで、参考になります。様々なビジネス書など読んで勉強している、資格をとりあえず取っている、趣味への投資は結構な額になっているというような専門性を持たれている方は一度読まれて、トライされてみはいかがでしょうか。

非常にシンプルに書かれて分かりやすい本ですが、それだけに重要なポイントのみに絞られた良書だと思います。

資格だけでは稼ぐ力にはならない。

会社にいつクビを切られても良いように、会社がいつ倒産しても大丈夫なように、と私自身もいろいろと学んできました。大学時代には留学して英語を学び(今はほとんど使えてませんが)、簿記の資格も取りました。また、新卒後入社したシステム会社から経営コンサルティングファームへの転職を目指して中小企業診断士の資格にも挑戦しました。

こうした一連の学びは、自身の可能性を高め、広げ、会社に頼らないで生きていけるようにと考えて行ったことです。確かに業務の中で、こうした経験や知識は非常に役立ちましたし、社内的にも評価された部分もあります。しかし、だからと言って、会社を飛び出した時に、それだけで食っていけるかというとそんなこともなく。結局、金銭的には会社を頼らざるを得ない状況が続いています。

実際問題、資格や知識だけでは、「稼ぐ」のは難しいでしょう。

しかし、本書で紹介されているような事例を見ると、意外と自分にも出来るのではないかという気がしてきます。本書でも強調されていますが、もちろん、個人で行っていくうえで、オンリーワンになれる分野というのが重要になってくるわけで、例えば、前職の経営コンサルタントの経験を活かして、コンサルティング業務という広い領域で戦っていくのは困難でしょう。

しかし、さらに領域を絞ることで、なんらかのオンリーワンを築けるかも知れません。これについては長期的に考えて、やっていきたいと思っていますが、このブログを通じて情報発信をしていきたいと考えています。

また、これまでの仕事の経験に限らず、趣味の分野でも考えられるかも知れません。

このブログでもAmazonのアフィリエイトを行っており、月に20冊くらいはこのブログ経由で本を購入していただいている方がいらっしゃいます。それでも、数百円の収入ですが、こうして自分の好きなもの、良かったと思うものを紹介するのは好きなことなので、続けられます。趣味のサイトの方も、自分の好きなもの、良いと思うものを紹介しています。

本書でもまずは始めてみることを推奨されています。多くの方がこうして自身の強みを活かして稼げるような社会になれば、とても素晴らしい気がします。企業に頼らない生き方を。

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